前回のPart.1に続き原材料のマジックについてレポートいたします。
前回はフードの中身や添加物に焦点を当ててお伝えしましたが、今回は実際のラベル表記をもとに(架空のものですが)もう少しわかりやすくレポートしたいと思います。

●これがマジック!!

 ペットフードの裏事情などいろいろな情報がネット上で飛び交っていますが、その第一の元凶はわが国日本ではペットフードに対して法的な安全基準や表示義務がないという点にあるようです。業界内で各種団体がいろいろ自主規制をして頑張っているにも関わらずなかなかその信頼性に対して疑問符をつけられるのは、そういった理由からなのです。

例えば、ペットフードの原材料表記では全体にたいして重量の重いものから順に並べるというきまりがあります。次のようにラベル(架空のものです)に記載されている場合、あなたはどのようにこのフードを判断しますか?

原材料 → チキン とうもろこし 米 コーングルテンミール 小麦粉
保証分析値 → 粗蛋白質20%以上 粗脂肪21%以上 水分10%以下

単純に原材料の先頭を見て”チキンベースのフード”、だと判断するのが普通ですよね。しかしここに落とし穴があるのです。よ〜く見てみると、2番目に”とうもろこし”4番目に”コーングルテンミール”があります。そう、この2つは表記上は違いますが2つとも簡単にいえばとうもろこしですよね。(ちなみに、コーングルテンミールとはコーンシロップ・コーンスターチを製造したときの副産物で、コーンからふすま・胚芽・でんぷんを取り除いたあとの残りものことです)つまりこのように同じような原材料を2つに分けて表記する事により実際はとうもろこしが原材料に占める割合が一番高いにもかかわらず、チキンが一番含まれていると私たちは錯覚してしまうのです。 犬・猫は、肉を主食とする動物なので植物性タンパク質より動物性タンパク質を主なタンパク源とするペットフードを選ぶ方が良いといわれていますが、このような表記をされたのではだまされたと感じてしまいますよね。

今度は次のようなラベル表記について考えてください。

合成保存科、合成香科・合成酸化防止剤を使用していません。
抗生物質・防腐剤・着色料無添加、および遺伝子組み替えの原材料は一切不使用。

お〜、これなら何か安心できそうですね。っと、ちょっと待った。実はこの表記にもひとつの抜け道があるんです。人工保存料などが健康によくないと認識されている昨今、多くのフード会社で「完全自然食品」「保存料無添加」とパッケージでうたうようになりました。問題なのはこれらに類したラベル表記には、法律で決まった定義が何もないということです。
 メーカーは彼らがそう意味すると信ずる語句で製品を定義します。もう少しわかりやすくいうと、原材料を仕入れた段階ですでに人工保存料を含んでいたとしても、メーカーが製造過程でそういった保存料などを添加していなければ、メーカー側からすれば添加物を入れていないという理由で、この製品には”無添加”と表示してもいいのです。
 こうした人工保存料に敏感なペットも少なからずいます。無添加の表示を完璧に信頼できるような法整備・ラベル表示の規格化をはやくしていただきたいと切に願います。

それでは次の2つの表示であなたが気になるところはどこでしょうか。

原材料 → 鶏肉 鶏肉副産物 トウモロコシ 米 コーングルテンミール
原材料 → 肉類 大豆ミール 動物性油脂 植物性油脂

そうですね。この2つのラベルでは”鶏肉副産物””肉類”が気になると思います。
 ペットフードは人間の食用肉としては使えないものを使っている可能性もあります。表記を見れば何の肉かということはわかりますが品質までは察しがつきません。(何度もいうようですが品質に関する法規制はありません。)
 また、表示に"肉"のような原料を表す言葉として、「ミートミール(肉粉)・ミートエキス・ミートボーンミール(肉骨粉)・牛肉副産物・肉類(ビーフ・マトン)」とある場合もその原材料が自分達が口にする"肉"と解釈しがちです。しかしながら人間が食べない部分、たとえばくちばし、毛、角、くず皮、頭、足の先、羽と血液、尿、糞便が含まれている可能性もあるのです。

余談ですがAAFCO基準やNRC基準の表示についても、”えっそうだったの”という事実がありますのでご紹介いたします。

 1.AAFCO基準クリアー
 2.AAFCOの栄養標準を満たしている
 3.AAFCOの給餌試験合格

これらの表記を見たときに私たちが連想するのは”AAFCOという立派そうな機関のお墨付きをもらっているからこのフードはきっと大丈夫。”といったところでしょう。しかし現実は違います。大半のメーカーではAAFCOの基準に照らし合わせて自社内でのみ検査して、これらの基準をクリアーと表記しているようです。どう考えても公平性に欠けますよね。AAFCOの基準そのものは、ほぼ毎年、内容を検討し、より良いように見直され公表されます。その都度、使用する原材料の種類から、その原材料の表記の仕方にいたるまで、こと細かく定められています。毎年この基準をきちんとクリアーしていくのはとても大変な事だとは思いますが・・・
もちろん第三者の研究機関に最新版のAAFCO基準と照らし合わせた判定を依頼し、その結果、基準をクリアーしていることを証明しているメーカーも実際にあります。す・すばらしい。

余談part2・・・
 商品の表示や公正な競争規約について自主規制しているペットフード公正取引協議会では年に1〜2回ほど抜き打ちで商品内容とその表示について抜き打ち検査をしているそうです。ココまでは大変喜ばしいことですが、その結果不適正な結果が出ても罰則規定はないのだそうです。指導・忠告のみで終わり、そのメーカーやブランドが一般の消費者に公表されることもありません。。。
これって意味無いと思ってしまうのは私だけでしょうか。ましてや、このような機関が第三者機関ではなくて業界のメーカーからの会員費で運営されているのですから???です。(会長や副会長に某メーカーの方が就任しているようですが、自社のフードにたいして公平な検査ができるのか疑問です。)

 最後にこのレポートの主旨に立ち返りたいと思いますが、なにも人工保存料が添加されているものが悪いだとか、表記に対して全てうそだから信用するな!といったものに主眼をおいているわけではありません。実際に人の食するものでも例えば遺伝子組み替え穀物なんかは知らず知らずのうちに口に入っているとは思います。妙に安いうどんやパンなんかで”遺伝子組み替え作物は使っていません”という表記がないとなんとなく入っているのかなぁなんて思ってしまいます。安いものにはその理由がありそれを納得して購入する分には誰も何もいう権利はありません。怖いのは”知らず知らずに”という事だと思います。 私たちがこのような認識をもち、ある意味知識武装することにより、メーカーなどもより正確な情報を提供していくってくれるのではないかと思います。現にメーカーによっては”原材料の段階から防腐剤などの混入なし””使用されている原料は全て人間用です。”などの表記をしているところもでてきています。目指すところは”正確な情報の開示”なのです。

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